60歳からの知恵と体験の交流誌「さすが&されど」。シニアが主役の投稿誌です。http://www.hongopub.com/

2010/4/28

パロディ〈吾輩物語〉  シニア


〈吾輩物語〉吾輩は〈クラス会〉である/大船のりお

 卒業や入学のこの時期、郷愁を誘うせいか、吾輩の出番が多い。新聞には「昭和○年△小学校卒業の皆さんへ」と、呼びかけが引きも切らず、卒業後何10周年、還暦、古稀、喜寿、傘寿など、人生の大きな節目での開催が目立つ。長寿社会の縮図、結構なことではないか。
 人気は、やはり小学校の吾輩だ。気兼ねなく、「ちゃん」付けの頃にタイムスリップできるからだろう。その上、意外性がある。チョロチョロしていたヤツが、堂々たる経営者になって羽振りよく、おとなしかった女生徒が、口八丁手八丁のNPOの代表だったりして驚く。札付きのワルが、凛々しい警官に変身していたのには、恩師が目を丸くしていた。
 何10年ぶりに顔を会わせる竹馬の友の変貌ぶりには初め戸惑うが、盃を交わすにつれ、不思議に昔の童顔が見えてくるものだ。もっとも、
 仇名出て名前が出ないクラス会
ということもある。遅刻常習犯で、理由を低血圧ならぬ「低気圧」と言い訳した男はさっそく〈低気圧〉、ONEを「オネ」と発音した生徒は、今でも〈オネさん〉だ。同じカマのメシならぬ〈ムジナ〉もいたな。
 吾輩では、専ら、思い出、病気(健康法)、孫自慢の3つに話の花が咲く。さすが世代ともなると、病気の1つや2つは経験しているから、知識も豊富で、加えて、自論を譲らないのが必ずいるのも、無礼講の吾輩ならではの特徴だ。
 専門医年ごとふえるクラス会
 女性陣も負けてはいない。昔、胸を焦がした彼女も、すっかり枯れて、
 マドンナも持病を語るクラス会
 孫自慢は、ほどほどがよいようだ。
孫が可愛くないジジババはいないだろうが、周りの雰囲気を見ながら開陳するのが、大人の振る舞いというものだろう。その代わり、家でこぼせぬ愚痴は大いに発散すべし。ある吾輩では、「嫁の時には舅、姑の顔色を窺い、今は、嫁に気を遣って」いる話が、圧倒的な同調者を得て、盛り上がっていたぞ。〆は定番の「故郷」の合唱。涙ぐむコワモテもいて、吾輩のお気に入りのシーンだ。
 諸君、吾輩で、また幼い日の夢を見るためにも長生きしようぜ!
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